Report
2010.05.24 @ 上海 AIA BUILDING
我々の元に上海の合資会社から連絡があり、我々が上海を訪れたのは万博開幕直前のことだった。クライアントの自社ビルに、大きく広告をプロジェクションで2週間行いたいという依頼を受けたので実行可能かという判断と機材選定の為に至急来てほしいということだった。
連絡を受けた数日後、我々は上海に居た。ターゲットとなる建物は大手生命保険会社AIAのビルで、広告を見せたい対象はビルの前を通っている高速道路を通行する人たちであるとのことだった。現場で実現可能だという判断を下して、プロジェクトを次のフェーズへ進めた。我々への主な依頼は、テクニカルと、映像制作だった。プロジェクターの設置位置は向いの建物の一室。投射距離をレーザー距離計で計測た結果、55mから57mであった。我々は事前の事例から平米あたりの充分認識できる映像の明るさの平均値を出しておりプロジェクターの選定には多くの時間を必要としなかった。投影サイズは幅16m、高さ19mの縦長のものだった。プロセッサーはスクリーンとプロジェクター設置位置は30度以上の角度があり、我々はBEAMPAINTINGのシステムを採用した。映像制作はHDで行い、BEAMPAINTINGのプロセッサーにより、XGA2面に分割、それを上下に配置し上下のエッジブレンディングするプランを採用した。ここで一旦映像制作の為帰国した。2週間という限られた時間の中のでコンテンツ作りが求められた。
映像制作と同時に進めなければならないのが機材の手配である。上海で果たして希望する機材が揃うのか?またそのコンディションは大丈夫なのか?など多くの不安があるなか、現地の合資会社のスタッフと連携をとりながらプロジェクトを進めて行った。レンズのF値に関してが最も気を使った所だった。日本でテストを重ね、BEAMPAINTINGのプロセッサーを仮組み検証を行い、事前に問題点を解決する事ができた。そして我々が上海に戻ったのが本番の5日前だった。
映像素材のクライアント確認の後若干の修正があったものの、編集環境を現地に持ち込んでいたので特に問題はなくコンテンツ制作は終了した。あと現地で行わなければならないのは機材のコンディションチェックだった。業者を訪問し、プロジェクターの灯を入れて明るさ、色等をチェック。問題なさそうだったので胸を撫で下ろす。あとは設営の日を待つのみとなった。
設営においてはプロジェクター6台の調整に時間はかかったものの、絵が出た瞬間はやはり格別のものがある。現地のクルーらと喜びを分かち合い大きな達成感に現場は包まれた。それにしてもBEAMPAINTINGプロセッサーはあらゆる角度からの投影が可能で、画質も申し分無くハイエンドの映像演出ができる本当に優れたプロセッサーである。
翌日の本番では、多くの関係者が見守る中オープニングセレモニーが行われた。大きな拍手に包まれクライアントには非常喜んで頂く事ができた。テクニカル×クリエイティブの融合という目標を掲げるライブテクニカルにとっては、まさにそれを実現できた瞬間だった。これをきっかけに上海の案件も引き合いを頂き、今後上海での動きも活性化できそうである。新たな屋外広告手法としての可能性を我々は感じ、興奮を抑えられずにはいられなかった。これからもテクニカル×クリエイティブのオールインワンソリューションとしてライブテクニカルは映像表現・演出の可能性に挑戦し続けます。
※SPECIAL THANKS:Symbolmedia /SEIKA